今更ながら風邪の話
2021/06/01
今更ながら風邪の話
東洋医学的な「風邪」の話
風邪薬のことを「感冒薬」と言います。
「感冒」を辞書で引いても「風邪のこと」と出てきますが、実はちょっと違うんです。
「感冒」ってのは、熱が出て、鼻水が出て鼻が詰まって咳が出る「風邪の諸症状」の事を言います。
一方で「風邪」とは「体から気が抜け、風を得た状態」の事を指します。
体から「気力」つまりエネルギーが抜けて「気虚」なだけでなく、その隙間に「風(ふう)」という悪いものが入ることを「風邪」と書いて「かぜ」と読むのです。
体に熱をもたらす風を「風熱(熱邪)」といい、悪寒をもたらす風を「風寒(寒邪)」と言います。これを総じて「風邪」です。
そして例えば「風寒」の中に「インフルエンザウィルス」があったり、「風熱」の中に「コロナウィルス」があったりするのです。
東洋医学では、こういうカテゴリーなんですねぇ。「コロナは風邪」というのは、東洋医学的には、たしかにそうなのです。
ただ少なくとも東洋医学的には、それは「大した事ない病気」という意味ではないという事を理解しなくてはなりません。
「風邪は万病のものと」というのも、つまりは「体から気力が抜けて、悪いものが入るスキがあれば、ヤバい風邪が入ってきた時に死ぬぜ」という意味なのです。
先日の葛根湯は、まだ体にさほど風が入っていない時に使うもので、風を払う力にはやや欠けています。風邪の「ひきはじめ」に使うと良いとされる理由は、ここにあります。
では風を払うのはどんな薬でしょうか。
・・・長くなりましたので、また明日w