桂枝湯の話
2021/06/04
桂枝湯の話
漢方処方の元になる漢方薬の話
構成生薬
桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草
これ自体は「少しだるい」とか「やや寒気がする」など、体調不良の初期によくある「なんか調子悪い」感じを、体を温め、炎症を抑え、胃腸をいくらか整えて解消する作用がある漢方ですが、
大きな特徴として、桂枝湯には派生した処方が色々あります。
まず、桂枝湯の芍薬の量を1.5倍にして、消炎鎮痛効果を高めた「桂枝加芍薬湯」、
麻黄と葛根を加えた(葛根湯の話を参照)「葛根湯」、
竜骨、牡蛎を加え、神経の高ぶりを抑える効果を付加した「桂枝加竜骨牡蛎湯」、
そして葛根湯には葛根湯加川芎辛夷(葛根湯加川芎辛夷の話参照)、桂枝加芍薬湯には小建中湯(桂枝加芍薬湯に膠飴(水飴)を加えたもの)という派生があり、
桂枝湯と小柴胡湯を合わせた「柴胡桂枝湯」という処方もあります。
さて、お気づきでしょうが、この処方の構成生薬のうち、芍薬以外は
桂枝(シナモン)、生姜(ジンジャー)、大棗(ナツメ)、甘草(リコリス)
つまり大体「デザートに使う食材」です。
医食同源ですね。
ですので、この処方や、桂枝加芍薬湯、水飴を足しただけの小建中湯は、食事が普通に食べられる小児にも広く用いられます。
小児には作用の強い薬を避け「補気」という形で、体のエネルギーを補い、温めることで病気を克服しようという考えは、実は漢方ができた頃から変わらない考え方なのです。
ですがもちろん大人にも、同じ対処が必要な場合は、こういった処方が用いられます。「子供専用」というものも、またありません。
ちなみに、量を調整した「桂枝加竜骨牡蛎湯」は「子供のおねしょ」に適応があります。
神経質な子供が夜尿に悩むのは、今に始まったことではないのです。
そういえば牡蛎も「カキの貝殻」ですね。
当薬局では、大人も子供も、ご自身に合ったお薬を、相談して決められます。
是非ご相談ください。
北千里近くにお住まいの方は、是非。
大阪府吹田市古江台4−2−9
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