閑話休題:ジェネリックの話(その1)
2021/06/23
閑話休題:ジェネリックの話(その1)
どうしようもない話
昨今の「ジェネリック医薬品」の事情について、皆さんはどうお考えだろうか。
(写真は僕が大好きなマルホの先発品ですがw)
「小林化工」事件以降の事情を鑑みるに、年度内に行政から何らかのアクションがあると考えるべきだが、
そもそもの理論として、ジェネリック医薬品の使用の是非は、何を以て決められるべきか。
先ずは患者の目線に立って考察する。
「安い薬は効かない」「ジェネリックは二流品」という「患者様からのご意見」を、未だに聞くことは多いだろう。
現在の日本国内のジェネリックの利用率は、七割強で頭打ちだ。体感だが、上記の理由でジェネリックを使いたがらない患者の割合と一致するように思う。
医薬品の効能が金額に依存しない事と、一部上場の一流企業もジェネリック医薬品の製造に参画している事に照らせば、上記の意見は一蹴されて然るべきだが、そもそもそこまで、患者に言及されることは少ない。
何故か。ひとえに、その意見を述べる患者に、この道理が理解できないことを、我々薬剤師は知っているからだ。
つまり「理屈など関係なく、嫌なものは嫌」という事を、我々は容認しているのである。
僕はこの点をとても問題視している。
2018年10月より、生活保護受給者は原則ジェネリック医薬品を使用するものとされた。
これの周知がままならず、現場でトラブルが頻発した事はさておき、根本的な問題として、
何故「ジェネリックを使うかどうかの決定権」を基本的に患者が持っているのか。
僕にはこれが、問題の根底であるように思えてならない。
この決定権は本来「少しでも安く医療費を抑えたいが、安い薬はないのか?」という相談があることを前提に、
患者に与えられている。
ところが実際には「安い薬は効かない」という誤解や「生活保護だから安い(効かない)薬を使わされるのはおかしい」という、実状に伴わない被害者意識から、ジェネリックを忌避し「国民医療費など関係なく高い薬を使いたい」と、無自覚に主張する人間が一定数存在するのだ。
果ては「薬代は安くしたいがジェネリックは偽物なので、薬を勝手に減らして飲む」と言い出す患者まで出る始末である(実際に遭遇した例)。
これでは誰も幸せにならない。しかして、この誤解をきちんと理解し、解消できる患者は少ない。
では、どうすべきか。
今こそ、その決定権を、患者でも医師でもなく、薬剤師に持たせるべきだと、僕は思う。
しかし実際そうではない中で、我々薬剤師がすべきことは、例えば
「ロキソニンはジェネリックでいいけど、ヒルドイドはそのままのほうが良いよ」
という事を、「効果が同じで安いから」「国民医療費を抑えられます、国益のためです」以外にきちんと理由を付けて説明できるようになることだと、僕は考えるのだ。
つづく
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