ジェネリックの話(その2)
2021/06/24
閑話休題:ジェネリックの話(その2)
どうにかしようという話
さて、実は筆者が個人的に書いているウェブ小説の題材として、ヘパリン類似物質軟膏の話を使ったことがある。
日医工のヘパリン類似物質油性クリームと、ヒルドイドソフト軟膏では、添付文書上「サラシミツロウ」の含有の有無という差がある。これにどの程度の作用的な格差が存在するかは定かではないが、少なくとも添加物に違いがあり、それが効果に違いをもたらす(という事を認めると添加物が「薬効」を持つことになり、「添加物は薬効に影響しない」という前提が崩壊するのであまりよろしくない)と、言えなくもない。
しかし「ニプロ」のヘパリン類似物質油性クリームには、サラシミツロウを含め、全て同じ添加物が使用されている。つまり理論上、薬効成分以外のものも、全く同じであるはずだ。
だが、残念なことに、じほう社出版の「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」には、一部の医薬品との混合の際、「ニプロ」では配合変化が起こり「ヒルドイド」では起こらないという記述がある。
厚生労働省が薬効を認め、生物学的に同等であるという判定がなされたジェネリック医薬品でも、配合時に明確な差が出るのだ。
重要なのは、この配合変化の差が「保湿作用に影響するか」という点である。
恐らく、多くの人にとって、この差は大きな差ではない。すなわち、多くの人にとっては「違いがある」し「安い」が「効果に差はない」のである。
もちろん「サラシミツロウ」にアレルギーがあるという超レアケースに当たる人に出す時や、一部の医薬品との配合変化を回避する時には、先発品を選択しなければならないので、どちらを選択することが正しいかは、ケースバイケースだ。
医師にもこの事を把握した上で処方を決定する先生もいるし、これを知らずに配合変化したものを渡そうとする薬剤師もいるので、一概ではないのだろうが、この判断を適切にこなせる職種は、どちらかと言えば薬剤師ではないだろうか。
つづく
ちなみにヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」は25g1本330円(税別)で、処方箋なしで販売(零売)しております。
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